2009年7月1日水曜日

上調子(2)

 上調子の調弦についてです。滝流しの場合はもともと二上りに調弦しておいたものに「かせ」を勘所④の位置にかけます。そうすると、元の音程が一の糸から順番にシ、#ファ、シとなっていたものが、「かせ」をかけることにより完全5度高くなりますから、音程は、ミ、シ、ミとなります。慣れるまではちょっとややこしそうですが、実際に音を合わせるときには、本手(本調子に調弦)の二の糸と上調子の一の糸が同じ音程に、さらに本手の三の糸と上調子の二の糸が同じ音程となるように調弦します。

 次は、勘所の押さえ方ですが、上調子では、指遣いが今までと異なるところがあるようです。本手では、②、③を押さえるときは、人指し指(Ⅰ)と薬指(Ⅲ)で押さえますが、上調子では人指し指(Ⅰ)と中指(Ⅱ)で押さえるのだそうです。「かせ」をかけた分、棹が全体的に短くなっていますから、勘所の間隔も狭くなります。そのため指遣いも違ってくるのでしょうか。さらに、⑥→②と早く移動するときも、本手ではⅢ→Ⅰという指遣いが普通ですが、上調子ではⅡ→Ⅰというふうに遣うようです。

 上調子の稽古は、まず「かせ」をかけずに、二上りのままでお稽古し(ただし、指遣いは上調子で)、それができたら、「かせ」をかけてお稽古するようです。先日のお稽古では、初めて「かせ」をかけて本手と合わせて頂きました。二上りでは暗譜して弾けるようになっていたので、想像していたよりは上調子の勘所の位置はわかりやすかったと感じました。それでも、譜面を見ながらではおぼつかないですから、先生のおっしゃるように、まず二上りで指遣いをマスターすることが先決のようです。

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