2007年10月9日火曜日

藤枝大祭り(3)

藤枝の祭りは3日間で、一日目は各区ごとに屋台の引き回し、二日目は飽波(あくなみ)神社への奉納踊り、三日目は祭礼本部前での地踊り披露というのがメイン行事となっています。

 各屋台は、ご祝儀が出て地踊りの所望があると、ところどころで踊りを披露します。それぞれの区が三曲ぐらいのレパートリーがあるようです。出し物は、「越後獅子」「供奴」「喜撰」「吉原踊」「元禄花見踊」「桑名の殿様」「深川」「鏡獅子」「」などが多いようです。これらの曲の一部に振りをつけて地踊りをします。区によっては、子供(幼稚園から中学生)、青年団(男女それぞれ)が踊れるように稽古しています。なかには梃子方も(すこし恥ずかしそうに)踊っています。この踊りの稽古は一月や二月では出来るものではないですね。数年の単位でお稽古を積んでいると思われます。

 屋台は、青年団長と副団長の掛け声で運行されています。「やーれこのせーーー。やれやれやれや、もっともっとやれや。」とマイクで絶叫します。木遣りの一種ですかね。これに引き手が唱和して、引き回します。
 梃子方は青年団の花形のようで、10名程度で屋台のやり回しをしています。梃子長と呼ばれる頭の指示によって屋台の梶を切ったり、向きを変えたりしています。屋根には屋根方が3から5人乗っています。全員が命綱をつけていますから、屋根から不自然な角度に体を乗り出していることがあります。
 そのほかにも、進行長、交渉員、連絡員、交通整理、会計など様々な役回りがあるようです。提灯をみると「芸人係」などというのもありました。おそらく長唄と囃子方をもてなす係なのでしょう。
 屋台は全重量三トンほどあるようです。建造年代は比較的新しいものが多いようで、ほとんどが白木で鬼瓦、縣魚、象鼻、欄間、見返り障子などに彫刻が施されています。(どの程度の彫刻なのかは唐丸さんに聞かないと分かりません。)車輪は直径80センチほどの木製で、金輪ははまっていません。祭り以外の時期は池などの水に沈めて保管しているようで、道路と接する面はじわっと水が沁みだしているようにも見えます。梃子で一気に回すと、車輪の表面が削れて、おがくずのような木屑が出ますが、これをデッキブラシでこすりとり、箒で掃いて掃除をする係りの人もいます。また、屋台の後ろから袋を持って吸殻を拾い集める係りの人もいます。(感心させられました。)

 屋台の上は、長唄の唄方、三味線が2から3人ずつ、笛が1人で、後は鳴り物が3人ほどで全部で10名内外で演奏しています。唄、三味線、笛にはマイクが備え付けてあり、ラウドスピーカー2個で大変な音量です。音質ということは二の次で、音量がすべてという感じです。この点は、唐丸さんなら大変辛い点数をつけるのではないでしょうか。せっかくの美声や三味線の音色が違ったものに聞こえてしまいます。
 また、屋台の引き回しの最中は、先ほどの掛け声が、ずーーーっと続いていますから、掛け声にかき消されて、長唄の演奏はほとんど聞こえません。町内によっては、地方も唄と三味線はやらずに、チャッパやシンバル、カスタネット、タンバリンなど打楽器をもって囃しています。
 笛方には交代要員がいないようなので、大変でしょう。(この点、江戸囃子育ちの「大ちゃん」は強いのではないでしょうか。ある女性出演者のブログには、「修行じゃ!」と書かれていました。)

 これだけの長唄連中と囃子方を集めて、4日間も拘束するわけですから、この費用は大変なものでしょう。三年に一度もむべなるかなです。いずれにしろ大変な祭りでした。三年後にも、やはり見に来てしまうかもしれません。(次は、尚ちゃんが出演しているかもね。)

1 件のコメント:

唐丸 さんのコメント...

すごいですね(○_○)

こんな祭りがあるを知りませんでした。

ややもすると山車がいい、人形がどうのこうのと云われますが、
このように生の囃子に重きをおいている、そして曳き手の踊りがキチッとしている。

これからの祭りの良い参考例になりますね、地元ではムリだと思いますが・・・。