9月の声を聞くとともに、私の住まいの周りでも虫の音が聞こえてくるようになりました。
クーラーをかけずに、窓を開け放つと、うるさいくらいに二階の部屋にも虫の声が届いてきます。鳴いている虫の名前まではわかりませんが、鈴虫や松虫ではないことはわかります。
虫の音といえば、長唄の三味線では「秋の色種」(あきのいろくさ)という名曲の中に、有名な「虫の合方」というのがあります。この「虫の合方」は、もう2年以上も稽古していますが、いまだにうまく弾くことができません。とにかく難しいです。(「滝流し」と双璧です。私にとってですが)
ここで、合方について説明しようと思ったのですが、三味線の用語解説は、私もよくわかりませんので、「長唄 さざれ石の会」さんのホームページからお借りまします。
→ http://www.hm4.aitai.ne.jp/~irokusa/sazareishi.htm
このホームページの「詞章解釈」の中で、「合(あい)」「合方(あいかた)」は次のように説明されています。
《引用開始》
[合・あい]
合いの手=あいのてとも云う。 唄と唄をつなぐ短い手(旋律=メロディー)
[合方・あいかた]
曲中の三味線による間奏曲で、特定の意味を持ち合の手より長いのが特色。布を水に晒す(さらす)さまを表現した晒しの合方、川や水や舟を表現した佃(つくだ)の合方、秋の虫の音を表した虫の合方など多くの合方がある
《引用終わり》
ということで、合方は、三味線の聞かせどころでもありますから、難しいテクニックがてんこ盛りです。最初に先生から譜面をいただいて、お手本を弾いていただいた後に、一手ずつゆっくりと教わっていきますが、はじめは、こんなの絶対に弾けないと思うことが、よくあります。でも、出来ないなりに、根気良く、粘り強く稽古していくと、少しずつ、弾けるようになっていきます。先生からは、手が良く回るようになるために、毎日続けて弾くようにしてくださいといわれています。
以前の稽古では、先に合方(早笛、狂い、虫の合方、滝流し、花見踊り前弾きなど)をさらってから、一曲の稽古に入っていましたが、このやり方ですと、手があまり回らないうちに、細かい撥を使わなくてはなりません。ですから、あまり調子よくお稽古が出来ないということが多くありました。最近は、先に一曲(今ですと越後獅子)をさらってから、合方の稽古に入るようにしています。これですとある程度手が温まって(?)いますから、結構気分よく、合方の稽古に入れます。
さて、これから、集く虫の音の中で、虫の合方なんぞを弾いて見ましょうか。
1 件のコメント:
風情がありますね、こちらは毎日が宴会です。(^^ゞ
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